パワコンの製品寿命は10~15年。但し、施工不良や自然災害等によっては数年で故障するケースもあります。故障発見と対処が遅れると大きな機会損失に繋がりますが、
- 故障の見分けがつかない
- 故障リスクと対処法がわからない
上記のような悩みを持つ方も少なくありません。本記事では、故障時の見分け方や対処法、故障原因等について解説します。ぜひご参考ください。
目次
パワコンの役割とは?
パワコン(正式名称:パワーコンディショナー)は、太陽光発電で生み出した電力(直流電力)を家庭用(交流電力)に変換する装置であり、以下のような機能も備えています。
パワコンの故障の見分け方
以下の場合、故障の可能性が考えられます。
- 発電量の急激な減少
- パワコンモーターからの異音
- 故障箇所からの発煙
発電量の急激な減少は、パワコンの故障要因を疑いましょう。また、重篤なケースでは、大きな異音とともに発煙し、その後間もなく出火した事例も報告されています。
売電収入の低下リスクのみならず、事故リスクも伴うため、パワコン故障の疑いがある際は、早期にメーカーへ相談することを推奨します。
パワコンが故障した際の適切な対処方法
故障時の対処法や注意事項について、以下4点ご紹介します。
1.修理判断はメーカーへ相談
以下の理由により、自ら修理するのは避けるべきでしょう。
- 事故や怪我リスクがある
- 保証適用外になる可能性がある
- 電気工事士以外の修理は法的に禁じられている
電気工事士の参照:『太陽光発電協会』
パワコンの稼働が停止状態であっても、内部では通電している可能性があります。不用意に手を出せば感電リスクもあるので、まずはメーカーへの相談が必須です。
また、メーカー保証を受けるには、通常利用が前提につき、自ら修理等で状態を変えると、故意的に壊したものとして、保証適用外になる可能性があります。
加えて、以下で示されているように、一般用電気工作物に該当するパワコンの作業は電気工事士のみ許可されています。
第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第二種電気工事士」という。)でなければ、一般用電気工作物に係る電気工事の作業(一般用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であって、経済産業省令で定めるものを除く。以下同じ。)に従事してはならない。
引用:e-Gov法令検索『電気工事士法』
加えて、修理には「第二種電気工事士」が必要であり、無資格者が手を加えた場合は罰則対象になる点も念頭に置くべきです。(※三月以下の懲役又は三万円以下の罰金の罰則)
参照:e-Gov法令検索『電気工事士法』
2.メーカーの保証期間を確認
メーカーは製品寿命と同じく10~15年の製品保証を設けています。保証の適用範囲や期間については各メーカーで異なりますが、修理・交換は無償対応となります。
メーカー | パワコン製品保証期間 |
三菱太陽光発電システム | 15年 |
Panasonic | 15年 |
TOSHIBA | 10年 |
HUAWEI | 標準5年/10年(延長保証あり) |
※利用者または第三者の故意、過失、設置環境、施工不良による場合は、保証対象外
3.修理依頼(軽微な故障)
軽微な故障と判断された場合、基板交換程度で済むことが多く、費用相場としては数万円程度になります。(※詳細費用は要見積り)
4.パワコン交換(重大な故障)
故障が重篤な場合はパワコン自体を交換しなければなりません。修理費用は各メーカーで変動しますが、資源エネルギー庁によると5kWの設備を想定した場合の交換費用は、20.9万円程度が相場と提示されています。
パワコンの故障原因
太陽光発電のパワコンが故障する原因としては、以下が挙げられます。
下図はコイルのはんだ付け不良であり、接続部に焼損が発生していた事例です。
また、開口部から雨水が侵入して配線が焼損した事例もあります。一見、自然現象による故障に思えますが、開口部の防水処理不備に起因するため、施工業者による人的ミスの可能性が高いです。
一方、人的要因や自然現象ではなく、製品寿命の到来により動作に不具合が生じるケースもあります。少しでも異常を感じた際は自己判断せず、専門業者に調査依頼するのがお勧めです。
太陽光発電設備の寿命に関しての詳細は以下の記事をご参考ください。
故障リスクを回避するポイント
故障リスクを回避し、損失を最小限にするポイントについて以下3点解説します。
1.遠隔監視システムの導入
太陽光発電所は都心から離れた郊外が多いため、発電量の推移を確認できる遠隔監視システムを導入し、故障を早期発見することが重要です。
また、何か不具合が生じている場合、アラート通知を受け取ることも可能なため、トラブルに対して早期対処が可能です。
発電量の目安や低下要因等については、以下の記事をご参考ください。
2.自然災害保証・火災保険に加入
パワコン購入時に付帯する「システム機器瑕疵保証」は、パワコンの故障を幅広くカバーしていますが、落雷・台風といった自然災害は保証対象外の可能性があります。
従い、自然災害保証や火災保険への加入も推奨です。
また、パワコンに限らず、太陽光投資では下記のような保険もあわせてご検討ください。
- 動産総合保険
- 施設賠償責任保険
- 信販会社によるローン付帯保険
詳しい補償内容は以下の記事に掲載しているため、ぜひご覧ください。
3.定期メンテナンスを実施
パワコンの故障リスクを下げるには、定期メンテナンスの実施も重要です。故障要因を早期に発見し、対処できる可能性があります。
具体的なメンテナンス内容や、費用相場についてはこちらの記事をご参考ください。
安心安全の太陽光投資なら『SOLACLE』へ
パワコンの故障発見と対処が遅れると、大きな損失に繋がります。故障リスクを抑えるには、保険加入や定期メンテナンスの実施が重要です。
SOLACLEでは、丸紅が保有する優良物件のみを紹介しており、メンテナンスや保険加入までワンストップでサポートしております。
ぜひ、お気軽にSOLACLEへお問い合わせください。
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