パネル表面の汚れは「発電効率の低下」「火災事故の誘発」のリスクを伴うため、太陽光発電所を安全稼働させる上で、定期的なパネル洗浄・清掃は必要不可欠です。
しかし、実際にパネル洗浄を試みる上では、
- 適切な洗浄方法
- 洗浄頻度とタイミング
- 業者への依頼可否、費用
上記についてお悩みを抱える方も少なくないでしょう。本記事では、パネル洗浄の必要性に加え、具体的な洗浄方法、業者へ依頼するメリット等について解説します。ぜひご参考ください。
目次
パネル洗浄の必要性
パネル表面の汚れは、発電効率の低下と火災リスクを伴うため定期的な洗浄が必要不可欠です。事例も含め詳細を解説します。
1.発電効率の低下抑制
パネル表面の汚れは発電効率の低下を招きます。例えば、下図のパネル洗浄前後の測定結果では、平均して12%発電量に差が生じる結果が出ています。
参照:『ぐんまソーラーメンテ相談室』
仮に以下の条件に沿って売電収入でシミュレーションを行うと、
※太陽光発電協会(JPEA)『太陽光発電の基礎知識』より参照
年間で約12万円の売電収入を損失する計算になります。これを5年、10年スパンで考慮すると、合計の損失額は60万円~120万円まで拡大するため、パネル洗浄の重要性がわかります。
発電量の目安や詳細シミュレーションについては、以下の記事をご参照ください。
2.ホットスポットによる事故抑制
パネル表面の汚れ等により、部分的に発電不備が生じると、その部分が抵抗体となり、下図のようにホットスポット現象を引き起こします。
参照:『社団法人太陽光発電検査協会』
パネル焼損による発電効率の低下のみならず、火災事故に繋がる恐れがあるため、定期的なパネル洗浄によるメンテナンスが重要です。
その他、パネル故障の原因や事例、対策方法については以下の記事をご参照ください。
洗浄頻度とタイミング
パネル洗浄の頻度を考慮する上では、洗浄効果と費用のバランスが重要です。つまり、「洗浄したことによる収益増加分 – 洗浄にかかる費用」がプラスになるかどうかを見極める必要があります。
前項の例では、パネル汚れの影響で年間約12万円の損失が生じているため、年間の洗浄費用が12万円を下回るようであれば実施を検討すべきです。
逆に上回る場合は、洗浄頻度を数年に一度にする等で検討をするのが良いでしょう。
また、費用対効果を考慮する上では、実施するタイミング(時期)も重要です。
黄砂・花粉の多い時期は避ける
パネル表面の汚れの原因となる黄砂や花粉は、2月から5月にかけて飛散量が多くなります。
参照:気象庁『黄砂観測日数の経年変化』
参照:環境省『主な花粉と飛散時期』
当季節は、洗浄を行っても再度汚れが蓄積するため、洗浄頻度を増加させることが不可欠です。しかし、その結果として洗浄費用が嵩み、総費用対効果が低下する可能性があります。
また、黄砂が飛散する沖縄県のとある事例では、「パネル洗浄したことで、返ってパネルに汚れが付着しやすくなり、発電効率が低下した。」という結果が報告されています。
参照:太陽光発電&eco『黄砂なのに太陽光パネルを洗浄したらこうなった』
地域によっては、時期や飛散量が異なるため一概には断言できませんが、2月から5月にかけてのパネル洗浄については慎重に検討すべきでしょう。
パネル洗浄は業者へ依頼すべきか否か
自らパネル洗浄をすること自体は可能ですが、以下の理由より業者への依頼を推奨します。
パネルに損傷を及ぼす危険性
過度に負荷をかけた洗浄や、洗浄用具の選定を誤るとパネルを損傷させる可能性があります。
発電所までの移動や洗浄用具コスト
野立ての発電所は基本的に郊外に位置することが多いため、自ら現地へ訪れて作業を行うのは時間と労力を要します。また、洗浄用具もゼロから取り揃える必要があります。
故障時の保険失効リスク
万一、パネルが故障した場合はメーカー保証を受けることができますが、前提として通常利用が条件につき、自らの洗浄作業等が原因で故障したと判断された場合、保証適用外になる可能性があります。
パネル洗浄以外も含め、太陽光投資において業者選定は重要です。選定ポイントや失敗ケースについては以下の記事をご参照ください。
業者へ依頼する際の費用相場
基本的には、メンテナンス業者(O&M業者)による定期メンテナンス時のパネル洗浄・清掃で十分パネルの状態は維持できます。
従い、パネル洗浄費用のみ明確に提示することは難しいですが、費用相場としては年間契約で15万〜30万円程度に収まることが多いです。
メンテナンス項目や費用詳細については、以下の記事をご参照ください。
安心・安全な太陽光投資なら『SOLACLE』へ
パネルの状態維持は売電収入の維持に直結するため、定期的なパネル洗浄は必要不可欠です。しかし、自ら洗浄業務を担うのは手間だけでなく、技術的なハードルや、故障リスクを伴うため、メンテナンス業者(O&M業者)へ依頼することを推奨します。
SOLACLEでは、丸紅が保有する中古物件の販売だけでなく、融資や保険、メンテナンスまでワンストップでサポートいたします。
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