太陽光投資で収入を得た場合、確定申告が必要になるケースがあります。無申告の場合、税負担が増大し、投資対効果が低下するため注意が必要です。
但し、本業で多忙な投資家や、新規参入して間もない方において、
- 確定申告の手続きが煩雑
- 所得や経費の取り扱い区分が不明
- 確定申告の必要可否が不明
上記のような課題を抱える方も多いかと思います。本記事では、太陽光投資に必要な確定申告について、具体的な計算方法や手続きも含め解説します。
ぜひ、ご参考ください。
目次
太陽光投資には確定申告が必須?
“給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人”
引用:国税庁『給与所得者で確定申告が必要な人』
上記に則り、太陽光投資の所得が年間で20万円を超えた場合、確定申告が必要です。この際、太陽光投資における所得とは、売電収入から経費を差し引いた金額を指します。
その他、副業等の所得がある場合、太陽光投資の所得との合算になりますが、10kW以上の産業用太陽光発電においては、基本的に所得20万円を上回るため、確定申告が必要になります。
確定申告を忘れた場合のペナルティ
無申告の場合、本来の所得税に加えて以下の税率で「無申告加算税」が課せられます。
- 本来納付すべき税額の50万円まで:15%
- 本来納付すべき税額の50万円を超える部分:20%
※税務署の調査を受ける前に期限後申告をした場合は5%に軽減
引用:国税庁『No.2024 確定申告を忘れたとき』
また、上記に加えて納付日までの延滞税が課せられます。延滞税の計算方法については下図をご参照ください。
参照:国税庁『延滞税の計算方法』
太陽光投資における所得区分
太陽光発電による売電収入は、「雑所得」「不動産所得」「事業所得」のいずれかに区分される為、自分のケースがどれに該当するかを確認する必要があります。
事業所得は、投資家の取り扱いが多い野立て(産業用太陽光発電)物件が該当します。資源エネルギー庁が過去に提示していた、下図の条件を満たした場合、適用されます。
参照:資源エネルギー庁『グリーン投資減税「太陽光発電設備」の導入をご検討の「個人の方」へ』
※個人の方の売電に係る所得区分が事業所得に該当するかは、その売電が社会通念上事業と認められるかどうかにより判断することとなります。適用の可否は個別のケースにより異なる可能性がある。
雑所得は、給与所得者である個人が、自宅に太陽光発電を設置し、余剰電力の売電収入を得るケース等で該当します。
参照:国税庁『自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入』
不動産所得は、不動産賃貸業を営む個人が、賃貸アパートの屋上に太陽光発電を設置し、余剰電力の売電収入を得るケース等に該当します。
参照:国税庁『賃貸アパートに設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入』
太陽光発電の確定申告で認められる経費
所得を正確に把握するには、経費計上できる項目を理解する必要があります。以下、代表的な経費項目について解説します。
1.減価償却費
減価償却とは、太陽光発電設備のような固定資産を、耐用年数で分割して費用計上する会計処理を指します。太陽光発電設備の耐用年数は17年につき、購入年から17年で分割し、経費化します。(※中古物件の場合は、17年ー(経過年数)+(経過年数)×20%)
参照:国税庁『主な減価償却資産の耐用年数表』
減価償却費の計算方法は定率法と定額法があり、それぞれ以下の特徴があります。
具体的な減価償却費の計算については、以下の記事をご参照ください。
2.固定資産税
土地や太陽光発電設備に対して発生する固定資産税も経費計上が可能です。固定資産税の詳細や計算方法については以下の記事をご参照ください。
3.ローンの利息
ローンを組んで購入する場合、返済時の利息を経費計上が可能です。融資やローンについての詳細については以下の記事をご参照ください。
4.メンテナンス費用
定期点検や太陽光パネルの清掃などに要するメンテナンス費用も経費計上が可能です。メンテナンスに要する費用相場や点検内容については以下の記事をご参照ください。
確定申告書の作成から提出までの流れ
確定申告書の作成方法と提出方法について解説します。
確定申告書を作成する方法
確定申告書を作成するには、主に以下の3つの方法があります。
- 会計ソフトを利用する
- 国税庁の確定申告書作成コーナーで作成する
- 手書きで作成する
- 税理士に相談する
会計ソフトを利用すると年額1万円~2万円ほど費用が発生しますが、損益レポートの自動作成機能等の活用で煩雑な作業を効率化できます。
また、国税庁の確定申告書作成コーナーや、税務署の窓口で確定申告書の原本を受け取り、手書きで提出可能です。
但し、確定申告等の税務作業は確認事項も多く、申請ミスによる損失可能性もあるため、税理士への相談も選択肢の一つとして検討すべきでしょう。
確定申告書を提出する方法
確定申告書を提出する方法は、主に以下の3種類です。
- e-Tax
- 郵送
- 税務署へ持ち込み
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野立ての産業用太陽光発電においては、所得が20万円を超えるため基本的には確定申告が必要です。無申告や経費の計上漏れ等は、ペナルティや損失に繋がるため適切な処理が求められます。
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