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2022.8.23

2023.10.17

太陽光発電のメンテナンスは義務?必要性と費用相場について解説!

太陽光発電のメンテナンスは、2017年4月の改正FIT法により義務化されていますが、

  • メンテナンスは必要?
  • メンテナンス内容と費用相場は?
  • メンテナンス業者に依頼すべき?

上記の課題・お悩みを抱えている方に向け、本記事で太陽光発電におけるメンテナンスの必要性から、点検項目、費用相場、業者選定のポイントを解説します。


目次

1.太陽光発電にメンテナンスが必要な3つの理由
 1-1.発電効率の低下防止
 1-2.安全性の確保
 1-3.メンテナンス義務の遵守

2.太陽光発電のメンテナンス項目と頻度
 2-1.年次保守点検業務
 2-2.点検業務報告
 2-3.事務手続き業務
 2-4.緊急時対応業務

3.太陽光発電のメンテナンス費用相場は?
 3-1.定期点検時のメンテナンス費用
 3-2.太陽光パネルの洗浄費用
 3-3.パワーコンディショナーの交換費用

4.メンテナンス費用は経費計上できる

5.メンテナンス(O&M)業者の選定ポイント
 5-1.相見積もりを行う
 5-2.対応メニューを明らかにする
 5-3.サービス提供実績を確認する

6.メンテナンスや太陽光投資のご相談ならSOLACLEへ

太陽光発電にメンテナンスが必要な3つの理由


メンテナンスが必要な理由について、3つの観点から解説します。

発電効率の低下防止


太陽光発電はパネル表面の汚れや雑草の影、パネル内部の損傷や劣化等により、発電効率が低下するリスクがあります。太陽光投資において発電効率の低下は収益悪化に直結します。

太陽光 発電量推移
参照:川崎市公式ウェブサイト『既設太陽光パネルの洗浄方法と発電効率に関する実証

上図は、川崎市が運営する扇島太陽光発電所における年間発電量の推移を表したもので、年月が経つにつれて発電量は低下しています。平成27年度では平成24年度の約81.7%まで発電量が低下しています。

川崎市は発電量の低下原因を、電気系統やパネルの劣化、汚れの堆積等によるものだと仮説を立て、パネル洗浄前と洗浄後での発電量を比較しました。以下がその結果となります。

洗浄後、最大7.59%発電効率が回復した為、太陽光パネル表面には、経年や現場状況により汚れが付着・堆積し、発電効率を低下させることが判明した。

引用:川崎市公式ウェブサイト『既設太陽光パネルの洗浄方法と発電効率に関する実証

発電量は天候や設備、設計によって変動するため、上記データはあくまで参考値となりますが、パネル洗浄等のメンテナンス次第で発電効率を維持できる可能性は高いと考えられます。

発電効率を上げる詳しい方法はこちらの記事をご参照ください。

安全性の確保


設備のメンテナンスを怠ると経年劣化がすすみ、最悪の場合、電気的事故や火災につながる恐れがあります。

例えば、パネル表面の汚れや雑草の影により、局所的に長期間発電が行えない状況が続くことで「ホットスポット現象」と呼ばれる現象が発生します。ホットスポット現象が生じると、最悪パネルの表面温度が100℃以上に上昇し、火災につながる恐れがあります。

メンテナンス不足で、発電量が減るだけでなく、周辺の土地や建物に危険を及ぼし、近隣トラブルにつながる可能性もあるため、注意が必要です。

メンテナンス義務の遵守


FIT制度が開始してしばらくの間、50kW未満の発電設備に関しては設置後の点検・メンテナンスは必須ではありませんでした。しかし、2017年4月1日施行の改正FIT法により、国内のほぼ全ての発電設備においてメンテナンスが義務化されました。

【注意】メンテナンスをしないと罰則?

改正FIT法に定められたメンテナンス義務を怠っている場合、その程度と内容に応じて「指導・助言」「改善命令」を受ける可能性があります。それでも改善を行わなかった場合、認定が取り消されてしまう事態に発展することもあります。罰則を受けないためにも、メンテナンス義務を遵守することが求められます。

参照:資源エネルギー庁『FIT制度見直しの検討状況の報告

太陽光発電のメンテナンス項目と頻度


大きく4種類のメンテナンス項目(業務)があります。

業務項目実施頻度
年次保守点検業務目視点検年2回(または随時)
点検業務報告点検結果の報告年1回(または随時、異常発見時)
事務手続き業務報告書作成協力随時(必要時)
緊急時対応業務故障・障害監視報告書作成随時(必要時)

年次保守点検業務


発電所全体に対して目視点検を行い、異常がないかを確認します。その上で軽微な異常についてはその場で対応を行います。

軽微な対応とはパネル上の落ち葉や鳥糞、積雪の除去、パネルに影を作りそうな雑草の処分等を指します。

保守点検は年間2回程度実施されるのが一般的な契約内容です。

点検業務報告


年次保守点検業務のあと、その結果について年次報告書をもらいます。

点検業務は特に大きな異常がなければ年に一度行われます。異常が発見された場合は内容によりますが修繕作業が必要になります。

事務手続き業務


太陽光発電は電力インフラと関わる事業であるため、電力会社や所轄監督庁等とやり取りや、報告書の提出が求められる事があります。

必要性が生じた際、報告書の作成のサポートや代理報告をメンテナンス業務の一部として行ってもらう事も可能です。

電力会社や所轄監督庁等とのやり取りは、適切に対応できないと認可の取り消しに繋がる可能性もあるため、知見のあるメンテナンス業者からサポートを受けることが望ましいです。

緊急時対応業務


緊急時対応とは、停電・災害などの非常事態で稼働停止した場合や、監視システムから警告をうけた場合に、現地に急行することで一次対応を行う業務です。関係各社と連携しながら安全確保を最優先としつつ、稼働を再開できるよう努めます。また、原因を究明し、後日報告書の作成を行います。

一次対応は無償で対応してくれるケースもありますが、その後生じる二次対応については契約内容やトラブルの原因などにより、費用が発生します。

災害による損害対策として、保険加入が推奨されています。

太陽光投資における保険についてはこちらの記事をご参照ください。

太陽光発電のメンテナンス費用相場は?


太陽光発電においては、設備故障時の緊急対応が必要になるケースもありますが、ここでは重要度の高い定期的なメンテナンスの費用相場について解説します。

定期点検時のメンテナンス費用


通常、定期点検は年に2回程度行いますが、費用相場としては年間契約で15万〜30万円程度に収まることが多いです。

太陽光発電 運転維持費
参照:資源エネルギー庁『電源種別(太陽光・風力)のコスト動向等について

上図は資源エネルギー庁が収集した太陽光発電(10kW以上)の運転維持費データになります。太陽光投資で扱われることの多い10kW以上50kW未満(低圧)では、中央値で0.5万円/kW/年になるため、

  • 30kW ⇒ 15万円/年
  • 40kW ⇒ 20万円/年
  • 50kW ⇒ 25万円/年

上記が目安となります。必要なランニングコストとして、収支シミュレーションを作成する上で参考にしてみてください。

発電容量(kW)区分の種類や選び方についてはこちらの記事を参照ください。

太陽光パネルの洗浄費用


費用相場としては10-15万円/回ほどになります。(※パネル枚数や立地等により変動します)パネルの汚れは発電効率の低下だけでなく、ホットスポット現象を引き起こす可能性もあるため、定期的に行うことが重要です。

パワーコンディショナーの交換費用


太陽光発電設備は可動部分がなく機器故障が少ないです。しかし、定期メンテナンスを行っていても、一部の機器・部品は寿命を迎え、交換が必要になります。

例えば、パワーコンディショナーの寿命は通常10年程度です。FIT期間の20年間運用すると、その期間中に一度は必ず総入れ替えが必要になります。

パワーコンディショナーの交換費用相場は70万円〜150万円(工事費込み)となります。ただし、使用しているパワーコンディショナーによっては製品保証などもあるため、場合によっては無償で交換できるケースもあります。

メンテナンス費用は経費計上できる


定期的または突発的に発生するメンテナンスや経年劣化による設備の入れ替えも、太陽光発電で収益を得るためには避けられないコストです。

しかし、これらのメンテナンス費用に加え、現地に行った場合はその旅費交通費等を経費として計上することが可能です。

また、パワーコンディショナーなどの高額な設備は減価償却にて最大17年間にわたって経費計上できるため、長期に渡って節税効果を得られます。

その他にも、太陽光発電投資において期待できる節税対策効果や方法については以下の記事をご参考ください。

メンテナンス(O&M)業者の選定ポイント


太陽光投資は長期的に運用する必要がある為、定期的にメンテナンスし管理する必要があります。従い、メンテナンスは業者に外部委託(O&M契約)するのが安心かつ効率的です。

O&Mとは「オペレーション:Operation」と「メンテナンス:Maintenance」の略称で、主に発電所の運転管理や保守点検を指します。

メンテナンス業者の選定ポイントについて、解説していきます。

太陽光のO&Mについて詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。

相見積もりを行う


適正なメンテナンス費用を判断する重要なポイントは、一つの業者だけでなく複数の業者に見積もり依頼することです。

メンテナンス費用には一定相場があるものの、見積もりの妥当性を判断するには、知識と経験が必要なため、複数業者に見積り、一定基準を把握した上で判断することが重要です。

対応メニューを明らかにする


メンテナンスの見積もりを依頼する際は、内容や対応範囲を明確にし比較検討を進める事で、自分にあった業者を選択する事が大切です。

いかに金額が安くとも必要なメンテナンス対応が行われないのであれば本末転倒です。もし、必要な対応項目がA社にあり、B社に無い場合は、その理由や依頼した場合の費用等について業者に質問することをお勧めします。

サービス提供実績を確認する


メンテナンス(O&M)業者のサービス提供実績を確認することも重要です。太陽光投資は長期にわたりと運用するため、メンテナンス業者との付き合いも10年、20年と長くなる傾向があります。

サービス提供実績が少ない業者の場合、数年後には会社が倒産もしくはサービス提供を終了している可能性があり、最悪の場合、依頼したサービス費用を回収できないケースも想定できます。

これはどの業者にも該当するリスクですが、極力リスクを回避するためにも実績が豊富で、信頼性の高い業者選びが重要です。

メンテナンスや太陽光投資のご相談ならSOLACLEへ


太陽光投資

改めて、太陽光発電のメンテナンスが必要な理由は以下3点です。

  • 発電効率の低下防止
  • 安全性の確保
  • メンテナンス・報告義務の遵守

投資の検討段階で作成したシミュレーション通りの成果を出すには、定期的なメンテナンス実施と、メンテナンス費用がカギとなります。

SOLACLEでは、丸紅が保有する高品質な発電所の紹介、購入サポートだけでなく、運営に必須となる保険やメンテナンスまでワンストップでサービスを提供しています。

「メンテナンス費用の見積りが欲しい」という方だけでなく、「購入から保険、融資、税務、メンテナンスまで、まとめてお願いしたい」という方もぜひ、お気軽にご相談ください。

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