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2022.11.30

2023.10.18

【2023年】太陽光発電の売電価格はなぜ下がる?今後の推移も解説!

太陽光投資の収益は「発電量×売電価格」で決定するため、売電価格の仕組みや今後の動向についての理解は必要不可欠です。

本記事では、固定価格買取制度(FIT制度)や価格推移、今後の見通しについて言及します。

  • 売電価格が下落する今、投資参入すべきかわからない
  • 収益シミュレーションを作成する上で、価格動向を把握したい
  • FIT制度終了後の見通しが立っていない

上記課題をお持ちの方は、ぜひご参考ください。


目次

そもそも固定価格買取制度(FIT制度)とは?


国内の再生可能エネルギーの普及拡大を目的として、電力会社が再生可能エネルギーを固定価格で一定期間、買い取る制度です。

固定価格は認定年度毎に設定され、産業用太陽光発電の場合は認定から20年間、買取保証されます。

FIT制度からFIP制度への移行


2022年4月施行の「改正再エネ特措法」に伴い、新たにFIP制度が導入されました。FIP制度とは、電力の市場価格に一定の補助額(プレミアム)をつけた価格での電力買取を行う制度で、買取価格は市場に連動して上下します。

FIT・FIP制度 説明
参照:資源エネルギー庁『売電価格に「プレミアム」を上乗せするFIP制度

FIP制度の適用範囲は徐々に拡大する見通しで、2024年度で250kW以上の発電所が完全にFIP制度へ移行します。

FIT/FIP イメージ
参照:資源エネルギー庁『FIP制度について

但し、太陽光投資で取扱いの多い低圧物件(10kW~50kW未満)では、FIT制度は適用継続される方針で、50kW~250kWの高圧物件においては、どちらか一方の制度の選択が可能です。

太陽光発電の低圧、高圧の違いについては、以下の記事をご参照ください。

【2022年】売電価格と推移について


FIT制度のもと、10kW以上の産業用太陽光発電の固定買取価格は以下のように変動しています。

※10kW以上50kW未満の事業用太陽光発電には、2020年度から自家消費型の地域活用要件を設定する。
参照:資源エネルギー庁『買取価格・期間等(2022年度以降)

2012年から2022年で比較すると、約30円ほど下落傾向にあることがわかります。

誰が売電価格を決めるのか


売電価格は経済産業大臣により決定されます。その際、調達価格等算定委員会と呼ばれる専門家の団体が、市場調査の上で価格提案を行い、これを元に経済産業大臣が最終的に決定する流れになります。

なぜ売電価格は下がるのか


売電価格が下がる理由は主に以下2つです。

  • 設置費用の低下
  • 再エネ賦課金による負担増

設置費用の低下


FIT制度開始当初では、設備費用が高く、高水準の買取価格が保証されない限り、事業者は初期投資額に見合う収益確保が困難でした。

しかし、太陽光発電の普及拡大や生産技術の進歩に伴い、設備費用は下図の通り年々低下傾向にあることがわかります。

太陽光発電 システム費用推移
参照:資源エネルギー庁『太陽光発電について

初期投資額の下落から、売電価格の抑制をしても事業者側収益確保が可能と国(調達価格等算定委員会)が判断し、徐々に売電価格の調整を図ったと考えられます。

事業者の収益確保を目的に売電価格は設定されているため、設備費用の低下に伴い、売電価格も徐々に抑制された背景があります。

再エネ賦課金による国民の負担増


FIT制度の原資は「再エネ賦課金」と呼ばれる国民の月々の電気料金に上乗せされる料金です。売電価格を維持した状態で参入事業者が増加した結果、再エネ賦課金は以下のように、年々上昇傾向が見られ、国民の税負担が増加していることがわかります。

年度別 再エネ賦課金
参考:東京電力『再生可能エネルギー発電促進賦課金単価

このような背景も踏まえ、国(経済産業省)は、売電価格をコントロールすることで再エネ賦課金の抑制を図っています。

今後、2023年以降の売電価格はどうなるか?


2023年度のFIT価格は、

  • 50kW以上:9.5円
  • 10kW以上50kW未満:10円

参照:資源エネルギー庁『買取価格・期間等(2022年度以降)

とそれぞれ2022年度の価格よりも0.5円ずつ下落します。さらに、資源エネルギー庁の開示する資料によると、2025年度は「7円」が目標とされている点からみても、当面は売電価格が下がる可能性が高いでしょう。

※あくまで資源エネルギー庁の目標数値の参照につき、世界情勢や電力需要の推移により変動する可能性がある旨はご留意ください。

売電価格が下落する今、投資参入は可能か


今後の投資参入でも、とりわけ中古物件であれば十分に投資効果を得ることは可能です。

過去FIT認定を受けた中古物件は、認定年度から20年間、固定価格での買取が保証されるため、過去の高い売電価格で、安定した収益が期待できます。

また、中古物件は過去の発電実績を元に、正確なシミュレーション作成も可能なため、発電実績のない新築物件に比べ、リスクが低い点もメリットです。

一方で、市場に出回っている中古物件の中には、適切に管理されずに放置状態で、多額の修繕コストを要する物件や、地盤や周囲環境に問題がある物件も少なくありません。

優良物件の見定めには一定の調査コストと専門知識を要するため、専門家に相談することをお勧めします。

中古物件の特徴や、検討ポイントについては以下の記事をご参照ください。

FIT終了後の売電価格と選択肢


FIT制度の適用が終了すると、売電価格は電力会社との市場価格での取引へと移行します。

踏まえて、FIT期間の終了した発電設備について4つの選択肢を解説します。

1.売却する

発電設備を売却し、手放す選択が考えられます。市場価格のもとではFIT制度の固定価格よりも高い価格で売電できる可能性もありますが、収支計画を立てにくくなることは間違いありません。

また、好条件で売電するには市場動向に目を向ける必要が生じ、FIT適用時よりも手離れが悪くなる可能性があります。

一定の投資効果や、節税効果を目的として参入した事業者は、売却が現実的です。

2.既存の電力会社への売電を継続する


FIT期間終了後でも、既存の電力会社へ売電継続することが可能です。但し、買取価格は固定ではなく、市場価格になるため収益の安定性や利回りは低下する可能性が高いです。

3.新電力会社への売電に切り替える


FIT期間終了後の売電は、既存の売電先だけでなく、新電力など別の事業者に販売することも可能です。

新電力会社の中には再生可能エネルギーの買取に積極的な事業者も存在するため、良い条件で取引できる可能性もあります。

FIT期間終了後の事業継続や、売却についてお悩みの方は、ぜひ丸紅新電力にご相談ください。もちろん、FIT期間中の場合であっても最適なご提案が可能です。

4.蓄電池を導入し完全自家消費する


電力会社への売電を終了し、自家消費用の発電設備へと転換する選択肢も考えられます。発電設備単体でも自家消費は可能ですが、蓄電池を導入し、電力を一定期間保存できるようにすれば、より効率的な自家消費用の電力確保が可能です。

設備の維持コストが電力会社との契約よりも安価に済む場合、FIT期間終了後は自家消費用の発電設備へと転換することも選択肢として考えられます。

2022年以降の太陽光投資なら『SOLACLE』へご相談


太陽光発電投資

太陽光発電の売電価格は年々下落傾向にあり、しばらくは下落の一途を辿ると予想されます。

しかし、とりわけ中古物件に関しては、FIT制度が適用され続けるため、これまで同様に安定した投資収益を見込むことができます。但し、数ある中古物件の中で優良物件を探すには相当な調査コストと専門知識を要します。

SOLACLEでは、丸紅が保有する優良な中古物件のみを取り扱い、物件紹介から融資、保険加入、メンテナンスなど、ワンストップでサポートしております。

ぜひ、お気軽にご相談ください。

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