近年、太陽光投資における中古市場が注目を集めていますが、
- なぜ中古市場が注目されているのか
- 新築と中古の物件では何が違うのか
- 優良な中古物件が見つからない
上記の疑問、課題を抱えている投資家の方に向け、本記事では中古市場が注目されている背景や、中古物件のメリット・デメリット、優良物件を購入するためのポイントについて解説します。
目次
1-1.そもそもなぜ売却するのか?
2.中古市場が注目される理由
2-1.理由1:固定買取価格の低下
2-2.理由2:FIT制度からFIP制度への移行
3.中古物件を購入するメリット4選
3-1.過去水準のFIT価格で売電可能
3-2.正確なシミュレーション作成が可能
3-3.融資を受けやすい
3-4.準備期間が短く、売電開始までが早い
4.中古物件を購入するデメリット3選
4-1.FIT残存期間が短い
4-2.優良物件のリサーチに時間がかかる
4-3.工事・メンテナンス費がかさむ可能性がある
5.優良な中古物件をお探しなら「SOLACLE」へ
太陽光投資における中古市場(セカンダリー市場)とは?
売電中の設備・土地(所有権・賃貸)・権利が一纏まりになった、太陽光発電事業を売買する市場を指します。
そもそも何故売却するのか?
「なぜ、収益性の高い物件を所有者は売却するのか」
「中古市場に出回っている物件は収益性が低く、投資先として適切なのか」
上記のように中古物件への疑問・懸念点が挙げられますが、全ての投資家が売電収入のみを目的として太陽光投資をしている訳ではありません。
節税目的で太陽光発電投資を行っている場合、収益性に関係なく、一定の節税効果を得た後に売却する投資家も少なくありません。
また、優良物件だとしても、キャッシュ確保のために売却するケースや、優良物件でありながらも、管理が行き届かず手放すケースもあります。
節税対策を目的に太陽光投資を検討されている方は、以下の記事をご参考ください。
中古市場が注目される理由
中古市場が投資家に注目されている理由は以下3点です。
理由1:固定買取価格の低下
FIT制度が適用された2012年から2021年までで、22円も固定買取価格が下落している影響を受け、固定買取価格の高い時期にFIT認定を受けている中古物件の価値が高まっています。
また、新築FIT案件も数に限りがあるため、太陽光投資を検討する上では必然的に、中古物件が選択肢に含まれます。
太陽光の売電価格の推移について、詳しくはこちらをご覧ください。
理由2:FIT制度からFIP制度への移行
2022年に導入されたFIP制度の買取価格は固定ではなく、市場の需要と供給によって変動するため、収支シミュレーション作成が困難を極め、収益安定性が担保できなくなります。
一方、FIT認定を受けた中古物件は、所有者の変更後もFIT制度が適用されるため、近年ではより一層、中古物件が注目されています。
参照:経済産業省『FIP制度の詳細設計と アグリゲーションビジネスの更なる活性化④』
中古物件を購入するメリット4選
中古物件が注目されている背景を踏まえ、実際に購入するメリットについて以下4点紹介します。
1.過去水準のFIT価格で売電可能
FIT認定取得年度が古ければ古いほど固定買取価格が高いため、一般的には利回りが高くなります。
例えば、40kW(低圧)物件において、FIT認定年が2012年と2020年の1年あたりの売電収入を比較すると、
2012年:40kW×1,000(※)×34円=1,360,000円
2020年:40kW×1,000(※)×13円=520,000円
簡易的なシミュレーションですが、売電収入が2倍以上変わることになります。
但し、中古物件は古いほど良いとは限りません。設備劣化の可能性や、FIT残存年数、修繕・メンテナンス費用も考慮する必要があります。
2.正確なシミュレーション作成が可能
発電実績に基づいたシミュレーション作成が可能なため、中古物件は実際の発電量がシミュレーションを大きく下回る可能性が極めて低いです。
また、FIT制度適用の残存期間では、買取価格が保証されるため、
(正確な発電量予測)×(固定買取価格)×(FIT残存期間)-(コスト)
上記のように必要コストさえ明瞭化できれば、再現性の高いシミュレーション作成が可能です。
シミュレーションの詳しい作成方法はこちらの記事をご覧ください。
3.融資を受けやすい
中古物件と新築物件の各リスクを比較したものが以下です。
中古物件は発電実績に基づく正確なシミュレーションを出せる上に、土地確保・完工リスクが無く、土地や設備が一定の担保になるため、金融機関から融資を受けやすい傾向があります。
対して新築物件は、不明確な要素も多いため事業計画やシミュレーションの信用性を担保する難易度は高いです。
元手資金が少ない中で太陽光投資を検討されている方は、中古物件で融資を受けて始めることをお勧めします。
太陽光投資に関する融資の種類や金利等については以下の記事をご参考ください。
4.準備期間が短く、売電開始までが早い
新築物件の場合、契約締結から完工まで時間を要する上に、工事スケジュールが後ろ倒しになるリスクもあります。
一方、中古物件は既に稼働している(売電している)ため、契約手続きから売電収益を得るまでのラグが無く、早期に収益化することが可能です。
中古物件を購入するデメリット3選
ここまで、中古物件のメリットについて紹介しましたが、一方でデメリットや、リスクも存在します。
1.FIT残存期間が短い
中古物件の中には、残存期間が非常に短い物件も存在します。
但し、残存期間が短い物件は、買取価格が高単価である裏返しでもあるため、短期間で高水準の売電収入が期待できますが、設備の経年劣化等により修繕コストが多分に発生する可能性もあります。
従い、残存期間中の収益と、コストの両方を鑑みた上で検討することが重要です。
2.優良物件のリサーチに時間がかかる
中古市場には非常に多くの物件が出回っています。目的である節税を果たした後、売却された優良物件は多いですが、玉石混交であるのも事実です。優良物件選定には、現地調査も含めてリサーチにかなりの工数を要します。
また、判別が容易な優良物件は投資家間での競争が激しく、物件精査の時間確保が難しいだけでなく、資金調達のスピード感も求められます。
3.工事・メンテナンス費がかさむ可能性がある
稼働年数や設備状況によっては、大掛かりな工事が必要になるケースがあります。
- 写真よりも設備が劣化していた
- 雑草対策が全くされていなかった
- 水はけが悪く土壌が侵食されていた
上記のような場合、工事やメンテナンス費がかさむため、その分利回りが悪くなります。中古物件を購入する際は、現地調査を含め慎重に検討することが重要です。
必要なメンテナンス項目や費用相場についてはこちらの記事をご参考ください。
優良な中古物件をお探しなら「SOLACLE」へ
太陽光投資において、中古物件を購入するメリットは数多くありますが、優良物件を探すには現地調査に加え、経験・知識が必要です。
SOLACLEは、丸紅が保有している優良な中古物件のみを取り扱い、仲介ではなく丸紅との直接契約にて物件購入が可能です。
また、土地や売電権利、発電設備に関して、すべて丸紅の基準を満たした物件で、契約から引き渡しまでコンシェルジュが丁寧にサポートいたします。
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上記のような方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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