太陽光投資の物件は、「低圧(50kW未満)」「高圧(50kW以上)」など発電容量の区分次第で取り扱いや維持費が異なります。
本記事では、発電容量区分ごとの違いや、投資用として取り扱いやすい低圧物件(50kW未満)のメリットや収支シミュレーションについて紹介しています。
目次
太陽光発電の容量区分
太陽光発電の容量区分は以下の4つです。
10kW未満の太陽光発電
「住宅用」に区分され、自家消費を目的とした戸建住宅の屋根上物件が多く、自宅で消費しきれない「余剰電力」が発生した場合のみ、電力会社に売電しています。
しかし、住宅用の場合は産業用とは異なり、FIT制度の適用期間が10年間と短い為、投資を目的とした太陽光発電設備の導入には不向きです。
【低圧】10kW以上50kW未満の太陽光発電
10kW以上50kW未満の太陽光発電は「低圧」に区分され、「住宅用」ではなく「産業用」に分類されます。産業用の太陽光発電は自家消費だけでなく、発電した全ての電力を売却する「全量売電」が可能です。
低圧物件は、設置面積や管理・維持コスト、手続きが煩雑でない点より、投資用物件として最も扱われております。
【高圧】50kW以上の太陽光発電
50kW以上の太陽光発電は「高圧」、とりわけ2,000kW以上のものについては「特別高圧」という区分で取り扱われます。
高圧の電力はオフィスや商業施設、小規模・中規模な工場などで用いられ、特別高圧は大規模な工場で用いられることが多いです。
太陽光投資には低圧がお勧め?
個人として太陽光投資を行う場合は、「コスト面」「手続き面」の2点から踏まえ、50kW未満の低圧がお勧めです。
低圧のメリット①:必要コストを抑えられる
低圧は高圧に比べ以下の項目が不要なため、数百万円単位でコストの抑制が可能です。
- 電気技術主任技術者の委託費用
- キュービクル(変圧器)の設置費用
電気主任技術者の委託費用
50kW以上の高圧は「自家用電気工作物」と区分され、電気主任技術者の専任が義務付けられています。
電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるために、電気主任技術者を選任して届け出る義務。(法第43条)
引用:経済産業省『電気事業法』
※「電気主任技術者」とは電気事業法に基づく国家資格で、主に電気設備における保安監督業務を担う。
電気主任技術者への依頼費用は、50kW~100kWで年間6万円、500kW~1000kWで年間100万円ほどになります。
その他メンテナンス項目や費用については、以下の記事をご参照ください。
キュービクル(変圧器)の設置費用
高圧の場合、追加設備としてキュービクル(変圧器)を設置する必要があります。設置費用は、設備規模によって変動しますが、少なくとも100万円以上は見積もる必要があります。
低圧のメリット②:諸手続きの工数・手間が少ない
手続き面においても、低圧は高圧に比べ負担が少ないです。高圧で必要な以下の手続きが、低圧では不要になります。
電気主任技術者の専任手配
高圧では年2回、電気主任技術者による定期点検が義務づけられているため、外部委託をする場合は電気主任技術者にコンタクトを取り、依頼する必要があります。
保安規定の届出
電気事業法第42条1項により、出力50kW以上500kW未満の太陽光発電を稼働させる前に保安規定を定める必要があります。
参照:経済産業省『太陽電池発電所の保安規程』
50kW未満の太陽光発電に必要な面積
環境省では1kWあたり15㎡程度必要と定めております。従い、低圧の必要面積は下図が目安となります。
発電容量 | 必要な面積 |
10kW | 150㎡(45.375坪) |
20kW | 300㎡(90.75坪) |
30kW | 450㎡(136.125坪) |
40kW | 600㎡(181.5坪) |
50kW未満の発電量と売電シミュレーション
太陽光投資の成功には、正確なシミュレーション作成がカギとなります。一般的には販売業者・仲介業者からも提示されますが、売り手側からのシミュレーションは営業要素も相まって都合の良い数値で提示される可能性もあります。
また、単純に売り手側の経験不足や物件調査不足によっても、シミュレーション数値は変動するため、提案を鵜呑みせず、事業者側もシミュレーションを検討することが重要です。
シミュレーション方法についてはこちらの記事もご参照ください。
年間発電量の計算方法
太陽光投資で得られる収入は「年間発電量×FIT価格(固定買取価格)」で計算します。FIT価格については、経済産業省が毎年定めている価格を参照するため、年間発電量の算出が必要です。
年間発電量の予測は、以下の計算式で求めることができます。
「予測年間発電量=パネル発電容量×1,000」
実際には天候や傾斜などの諸条件にも左右されるため、精度は不十分ですが、発電量の目安を把握する際に用いられます。
参照:太陽光発電協会(JPEA)『太陽光発電の基礎知識』
発電量の目安について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
低圧の売電シミュレーション
- 低圧(40kW)
- 2016年にFIT認定
- FIT価格は24円/kWh
※FIT価格は下記より
参照:経済産業省『固定価格買取制度』
上記条件で売電シミュレーションを行うと、まず年間発電量は
40(パネル発電容量)×1,000=40,000kW
次にFIT価格の24円をかけ合わせると、
40,000(年間発電量)×24(FIT価格)=960,000円
と計算することができます。
但し、こちらは売電価格のみにつき、FIT残存期間や初期費用、メンテナンス等のランニングコストを含めて計算することで、より正確なシミュレーション作成が可能です。
メンテナンス費用や廃棄積立費用等のランニングコストについては以下の記事をご参考ください。
低圧の中古物件なら「SOLACLE」へ
「低圧(50kW未満)」と「高圧(50kW以上)」を比較しつつ必要な面積、期待できる発電量、売電収入のシミュレーションなどの情報について解説しました。
低圧は高圧に比べ、
- 必要コストを抑えられる
- 諸手続きの工数・手間が少ない
上記のメリットがあるため、個人で太陽光投資を始める場合は低圧が有利です。但し、低圧が全て優良物件とは限りません。低圧の中でも、優良物件を選定することが重要です。
SOLACLEでは丸紅が保有している優良な低圧の中古物件のみを販売しています。丸紅との直接契約であるため、物件の質が保証されているのはもちろんのこと、不当な金額での販売や虚偽の実績提示されるリスクもありません。
購入時の融資斡旋から、購入後のメンテナンス、保険といった必要な部分についても全面サポートいたします。
太陽光投資を検討されている方、もしくは今後投資事業を拡大したい方はぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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